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特定技能所属機関(企業)の基準(法第2条の5各号及び特定技能基準省令第2条)

1.労働、社会保険及び租税に関する法令を遵守していること

特定技能所属機関が労働関係法令、社会保険関係法令及び租税関係法令を遵守していることを求めています。

  (1)労働関係法令

労働関係法令は、労働基準法、労働契約法、労働安全衛生法、最低賃金法、雇用保険法、労働者災害補償保険法、労働施策総合推進法等があります。これらの法令を遵守して、特定技能雇用契約の締結、労働者への明示、就業規則等の作成や届出等が適切に行われていることが必要です。

雇用保険及び労災保険の適用事業所の場合には、保険の適用手続と保険料の納付を適切に行っていることも必要です。

  (2)社会保険関係法令

社会保険関係法令は、健康保険法、厚生年金保険法、国民健康保険法、国民年金法等があります。これらの法令を遵守していることが必要です。

①健康保険及び厚生年金保険の適用事業所の場合

特定技能所属機関が、健康保険及び厚生年金保険の加入手続、雇用する従業員の被保険者資格取得手続を行い、保険料を適切に納付することが必要です。

②健康保険及び厚生年金保険の適用事業所ではない場合

特定技能所属機関(事業主本人)が、国民健康保険及び国民年金に加入し、保険料を適切に納付することが必要です。

  (3)租税関係法令

租税関係法令は、国税通則法、国税徴収法、所得税法、法人税法、相続税法、消費税法、租税特別措置法、地方税法、印紙税法等があります。これらの法令を遵守して、特定技能所属機関は国税・地方税を適切に納付していること等が必要です。

例えば、特定技能所属機関が特定技能外国人から特別徴収した個人住民税を納付しないことにより、個人住民税の未納が判明した場合には、租税関係法令を遵守しているとは評価されません。

 

2.1年以内に特定技能外国人と同種の業務に従事する労働者を非自発的に離職させていないこと

特定技能雇用契約の締結日の前1年以内と締結後、特定技能所属機関が、特定技能外国人と同種の業務に従事するフルタイムの労働者を一人でも非自発的離職させていれば、基準に適合しないことになります。

対象者は「労働者」ですから、外国人のほか、日本人も含むことに注意が必要です。

非自発的離職者を発生させた場合には、14日以内に「受入れ困難に係る届出」を行う必要があります。

(1)「特定技能外国人と同種の業務に従事していた労働者」とは

特定技能所属機関にフルタイムで雇用されている日本人労働者、中長期在留者及び特別永住者の従業員で、特定技能外国人が従事する業務と同様の業務に従事していた者を言います。パートやアルバイトを含みません。

(2)「非自発的に離職させた」とは

具体的には次のものに該当する場合を言います。非自発的離職者を1名でも発生させている場合は、基準に適合しないことになります。

・人員整理を行うための希望退職の募集又は退職勧奨を行った場合

ただし、天候不順や自然災害の発生、又は、新型コロナウイルス感染症等の感染症の影響により経営上の努力を尽くしても雇用を維持することが困難な場合は除きます。

・労働条件に係る重大な問題(賃金低下、賃金遅配、過度な時間外労働、採用条件との相違等)があったと労働者が判断したもの

・就業環境に係る重大な問題(故意の排斥、嫌がらせ等)があった場合

・特定技能外国人の責めに帰すべき理由によらない有期労働契約の終了

 

3.1年以内に行方不明者を発生させていないこと

特定技能雇用契約の締結日の前1年以内と締結後、特定技能所属機関が、雇用する外国人について責めに帰すべき事由により、行方不明者を1人でも発生させていれば、基準に適合しないことになります。

対象者は「外国人」ですから、特定技能外国人のほか、技能実習生等の外国人を含みます。

行方不明者を発生させた場合には、14日以内に「受入れ困難に係る届出」を行う必要があります。

(1)「責めに帰すべき事由」とは

特定技能所属機関が、雇用条件どおりに賃金を適正に支払っていない場合や1号特定技能外国人支援計画を適正に実施していない場合など、法令違反や基準に適合しない行為が行われていた期間内に、特定技能外国人が行方不明となった場合を言います。

そのような法令違反や基準に適合しない行為が行われていた場合には、人数に関係なく、特定技能外国人の行方不明者を1人でも発生させていれば、本基準に適合しないことになります。

同様に、特定技能所属機関が、技能実習制度における実習実施者として、受入れた技能実習生について、法定違反や基準に適合しない行為が行われていた期間内に、行方不明者を発生させた場合にも本基準に適合しないことになります。

(2)支援との関係

特定技能所属機関は、特定技能外国人からの相談に真摯に対応し、安定した生活や就

労が確保されるよう適切な対応をし、特定技能外国人の行方不明の発生防止に努める必要があります。

 

4.欠格事由(5年以内に出入国・労働法令違反がないこと等)に該当しないこと

(1)関係法律による刑罰を受けたことによる欠格事由

「刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者」で、次のいずれかに該当する場合には、欠格事由に該当し特定技能所属機関になることはできません。

①禁錮以上の刑に処せられた者
②出入国又は労働に関する法律に違反し、罰金刑に処せられた者
③暴力団関係法令、刑法等に違反し、罰金刑に処せられた者
④社会保険各法及び労働保険各法において事業主としての義務に違反し、罰金刑に処せられた者

(2)実習認定の取消を受けたことによる欠格事由

実習実施者として技能実習生を受け入れていた際に実習認定の取消しを受けた場合、当該取消日から5年を経過しない者(取り消された法人の役員等であったものを含む)は、特定技能所属機関になることはできません。

欠格事由の対象者には、取り消された法人の役員であった者の外、実質的に法人に対し強い支配力を有すると認められる「実質的支配者」も含まれます。

(3)出入国・労働関係法令に関し不正行為等を行ったことによる欠格事由

特定技能雇用契約の締結の日前5年以内又はその締結日後、出入国・労働関係法令に関する不正行為等を行った者は、欠格事由に該当し、特定技能所属機関になることはできません。

出入国又は労働関係法令に関する不正行為として主に想定されるものは次のとおりです。

①外国人に対して暴行し、脅迫し又は監禁する行為
②外国人の旅券又は在留カードを取り上げる行為
③外国人に支給する手当又は報酬の一部又は全部を支払わない行為
④外国人の外出その他私生活の自由を不当に制限する行為
例えば、外国人の外出、携帯電話を没収するなどして、外部との連絡を遮断するような行為が該当します。
⑤①から④に掲げるもののほか、外国人の人権を著しく侵害する行為

上記の①から④以外で外国人の人権を著しく侵害する行為を行っていた場合を言います。
例えば、特定技能外国人から人権侵害の被害を受けた旨の申告があり、人権擁護機関において人権侵犯の事実が認められた場合、特定技能外国人の意に反して預貯金通帳を取り上げていた場合又は特定技能外国人の意に反して強制的に帰国させる場合等が該当します。

⑥偽変造文書等の行使・提供
⑦外国人やその親族から保証金・違約金を徴収している場合等
⑧届出の不履行又は虚偽の届出
⑨報告徴収に対する妨害・虚偽報告等
⑩改善命令違反
⑪不法就労者の雇用等
⑫労働関係法令違反

外国人の就労活動に関し、労働基準法、労働安全衛生法、職業安定法等の労働関係法令について違反があった場合を言います。

⑬技能実習制度における不正行為
⑭他の機関が不正行為を行った当時に役員等として外国人の受入れ等に係る業務に従事した行為

申請者とは別の機関が不正行為を行った当時、当該機関の経営者、役員又は管理者として外国人の受入れ、雇用の管理又は運営に係る業務に従事していた行為をいいます。

(4)暴力団排除の観点からの欠格事由

以下に該当する者は本欠格事由に該当します。

①暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
②上記①の者が役員となっている法人
③上記①の者がその事業活動を支配する者

(5)特定技能所属機関の行為能力・役員等の適格性に係る欠格事由

以下に該当する者は本欠格事由に該当します。

①精神機能の障害により特定技能雇用契約の適正な履行に必要な認知等を適切に

行うことができない者

②破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
③法人の役員、未成年の法定代理人で欠格事由(暴力団員等がその事業活動を支配する者を除く。)に該当する者

 

5.特定技能外国人の活動内容に関わる文書を作成し、事業所に雇用契約終了日から1年以上備え置くこと

特定技能所属機関は、特定技能外国人の活動状況に関する文書を作成し、特定技能外国人が業務に従事する事業所に、雇用契約終了日から1年以上備えて置く必要があります。

例えば、管理簿、賃金台帳、出勤簿などです。

書面に代えてデータで文書を作成して備え置くことも認められています。

 

6.外国人等が保証金の徴収等をされていることを受入れ機関が認識して雇用契約を締結していないこと

特定技能所属機関は、特定技能外国人及びその親族等が保証金の徴収や財産の管理又は違約金契約を締結させられていることを認識して、特定技能雇用契約を締結することを禁止されています。

 

7.受入れ機関が保証金の徴収等を定める契約等を締結していないこと

上記6と関連して、特定技能所属機関自身も保証金の徴収等を定める契約を締結することは禁止されています。

 

8.支援に要する費用を、直接または間接に外国人に負担させないこと

1号特定技能外国人に対する義務的支援に要する費用は、本制度の趣旨に照らし、特定技能所属機関等において負担すべきものです。

その費用を1号特定技能外国人に直接的又は間接的にも負担させないことを求めるものです。

具体的には事前ガイダンス、生活オリエンテーション、出入国時の送迎にかかった交通費、相談・苦情対応・定期面談の際の通訳人の通訳費等です。

ただし、住宅の賃貸料等の実費相当分を合意に基づき本人に負担させることは可能です。

また任意的支援で、日本語教育のスクールを斡旋した場合に、合意に基づき、授業料を本人に負担させることも可能です。

 

9.労働者派遣をする場合には,派遣先が上記1から4の各基準を満たすこと

派遣先についても、派遣元である特定技能所属機関と同様に、労働、社会保険及び租税に関する法令の遵守、一定の欠格事由に該当しないことなどを求めるものです。

 

10.労働保険関係の成立の届出等を講じていること

特定技能外国人への労働者災害補償保険の適用を確保するため、特定技能所属機関が労災保険の適用事業所である場合には、労災保険に係る保険関係の成立の届出を適切に履行していることを求めているものです。

 

11.雇用契約を継続して履行できる体制が適切に整備されていること(財政状況など)

特定技能所属機関は、事業を安定的に継続し、特定技能外国人と締結した特定技能雇用契約を確実に履行し得る財政的基盤を有していることが求められます。財政的基盤を有しているかについては、事業年度末における欠損金の有無、債務超過の有無等から総合的に判断されます。

 

12.報酬を預貯金口座への振込等により支払うこと

労働基準法上、報酬の支払は原則通貨払とされていますが、特定技能外国人に対する報酬の支払を確実かつ適正なものとするため、特定技能外国人の同意を得た上で、特定技能雇用契約において、当該外国人の指定する預貯金口座等へ振込み等により行うことを求めています。

 

13.分野に特有の基準に適合すること

特定産業分野ごとの特有の事情に鑑みて個別に定める基準に適合していることを求めています。

 

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