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就労ビザの出張、テレワークその他の「活動」について、国内と国外の違い

#就労ビザ #技術・人文知識・国際業務 #企業内転勤 #高度専門職

テーマ:

在留外国人が、会社の都合で出張をする場合、在留期間更新許可申請の場面、または永住許可申請の場面で「活動をしていたかどうか」を問われることが多くあります。

特に近年では外資系企業以外でもグローバル雇用が増えている中で、複雑化していることで、整理が必要です。

ケースと主なシナリオ:

在留活動をすべき期間において、どの在留資格なのかという点で、就労ビザでも複数に分かれます。

さらに、海外出張・駐在や、出向、さらには国内外での産前産後休業・育児休業その他の長期休業など様々な状況があります。

そのうえ、在留期間更新許可申請・永住許可、在留資格の取り消しなどの場面に分かれます。

 

このような状況は多く、様々な理由が申請人や会社都合で存在します。それらの問題と、その解決策を解説します。

 

Q1. いわゆる就労ビザの外国人が海外出張した場合、問題になりますか?

通常、再入国許可をもって出国すれば、再入国においては問題になりません。しかし、一定期間の出張が、更新許可申請や変更許可申請ないし永住許可や帰化に影響を及ぼします。

したがって、回答としては、一週間などの短期間なら、安全です。そうでないなら、ご相談ください。

なお、在留資格「短期滞在」の場合は、再入国は通常許可されないため、注意が必要です。

 

 

Q2. 出張の期間について、気を付けることはありますか?

まず、再入国許可が「みなし再入国許可」の場合、1年以内の出国期間で、かつ在留期限までの再入国であることが最低限必要となります。

そのうえで、就労ビザの更新や永住などに不利にならないように3か月以内が基本となります。

 

なお、永住許可や、帰化許可を目指す外国人の場合、駐在となるほどの期間や形態の場合、要件である在留5年の計算が中断されることになり、最初から通算5年が改めて必要となることが危険であり、注意が必要です。

 

国籍法

 第五条 法務大臣は、次の条件を備える外国人でなければ、その帰化を許可することができない。

 引き続き五年以上日本に住所を有すること。

Q3. 出張していたことが不利になる根拠としての入管法令はなんですか?

例えば、3か月以上の場合、次の2点等が根拠となるため、気を付けるべきです。

1. 3か月以上で、在留資格の取り消しが起算点となること。

2. 在留期間(就労ビザ)更新許可申請において、活動をしていたことを証明しやすくすること。

 

 

Q4. 在留資格の取り消しとは何ですか?

取り消しを受けると日本に在留できなくなります。

いくつか事由がありますが、代表的な「活動をしていない場合」については、法令上、「正当な理由」があれば、それを主張・証明することで、取り消し対象とならないことになります。

 

入管法

(在留資格の取消し)第二十二条の四

 別表第一の上欄の在留資格をもつて在留する者が、当該在留資格に応じ同表の下欄に掲げる活動を行つておらず、かつ、他の活動を行い又は行おうとして在留していること(正当な理由がある場合を除く。)。

 別表第一の上欄の在留資格をもつて在留する者が、当該在留資格に応じ同表の下欄に掲げる活動を継続して三月(高度専門職の在留資格(別表第一の二の表の高度専門職の項の下欄第二号に係るものに限る。)をもつて在留する者にあつては、六月)以上行わないで在留していること(当該活動を行わないで在留していることにつき正当な理由がある場合を除く。)。

 日本人の配偶者等の在留資格(日本人の配偶者の身分を有する者(兼ねて日本人の特別養子(民法(明治二十九年法律第八十九号)第八百十七条の二の規定による特別養子をいう。以下同じ。)又は日本人の子として出生した者の身分を有する者を除く。)に係るものに限る。)をもつて在留する者又は永住者の配偶者等の在留資格(永住者等の配偶者の身分を有する者(兼ねて永住者等の子として本邦で出生しその後引き続き本邦に在留している者の身分を有する者を除く。)に係るものに限る。)をもつて在留する者が、その配偶者の身分を有する者としての活動を継続して六月以上行わないで在留していること(当該活動を行わないで在留していることにつき正当な理由がある場合を除く。)。

ちなみに、高度専門職や日本人の配偶者等の場合、6ヶ月以上と、少し余裕があります。

 

Q5. 更新不許可になる場合、どのようにすればよいでしょうか。

正当な理由がある場合や、そもそも活動をしていたことを証明する場合があります。これは入管から追加資料通知が来ればよいのですが、来ない場合にいきなり不許可になる可能性にも留意すべきです。

つまり、先回りして証拠資料を提出すべきです。

 

 

Q6. 「技術・人文知識・国際業務」の活動とはなんでしょうか?

入管法別表第一には、それぞれの在留資格ごとの活動内容が規定されております。これらが、まさに活動系の在留資格の該当があるかどうかを判断する「活動」です。つまり活動がない場合は、許可されず、更新されず、あるいは更新はされても、永住許可がされないほどの不利益になりえることになります。ちなみに、永住許可は10年在留かつ就労ビザ5年以上という要件があり、この点でも出張が不利になるため、主張・立証が必要です。

 

入管法別表第一

技術・人文知識・国際業務

本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学、工学その他の自然科学の分野若しくは法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動(一の表の教授の項、芸術の項及び報道の項の下欄に掲げる活動並びにこの表の経営・管理の項から教育の項まで及び企業内転勤の項から興行の項までの下欄に掲げる活動を除く。)

この法律上の「本邦の」については、日本に本店などがあることが必須となります。

次に、「公私の機関」と「契約」とは、通常の会社との雇用契約が含まれるため、会社の命令で活動することは問題ありません。ただし、「本邦」でない「外国」の法人であれば、在留資格に基づく活動と評価されないことに注意が必要です。

 

ちなみに、外国法人である外資系企業は「本邦」の要件について、日本に支店や事業所などの拠点がある場合、許可要件をみたします。なぜなら、本店や本社が外国であることを必須としている契約が必要とまでされておりません。

 

したがって、「技術・人文知識・国際業務」において、就労ビザが認められる活動ということになります。

 

 

Q7. 「企業内転勤」の外国人が同じような状況の場合、やはり更新されないのでしょうか。

企業内転勤であっても、やはり、次の通り、活動が認められるかどうかがポイントとなります。

 

入管法別表第一

企業内転勤

本邦に本店、支店その他の事業所のある公私の機関の外国にある事業所の職員が本邦にある事業所に期間を定めて転勤して当該事業所において行うこの表の技術・人文知識・国際業務の項の下欄に掲げる活動

更新の場面では、活動を行う限り、「技術・人文知識・国際業務」や「企業内転勤」において、就労ビザが認められる活動ということになります。

しかし、更新されないかどうかは、証明ができるかどうかにかかっています。

 

 

Q8. 就労ビザの更新許可と変更許可の要件は同じでしょうか。

異なります。具体的には、次の通り整理されます。

1.変更許可:在留資格認定証明書交付申請とほぼ同じ要件の審査

就労ビザにおいては、次の要件が必須となります。

a. 在留資格該当性

上記活動など

b.上陸基準省令適合性

活動類型ごとに申請人の経歴などが要件となっております。

c. 非虚偽性

申請する活動内容などの要件が、社会通念上虚偽でない程度のレベルが判例として要求されているものであり、過去の在留不良を問うことまで積極的にできません。

 

2. 更新許可:「相当性」という要件が必要で、裁量が広くなる

相当性に係るガイドラインにおいて、上記aとbが問われることになりますが、cは不要です。しかし、相当性の中でも基準があるため、「行政平等原則」等を用いる意味があります。つまり、許可と不許可の事例等を多く知っていれば、細かい事例・先例において、相当性が認められたかどうかを判断し応用ができます。つまり、知識・経験がより広範と言えます。

 

 

 

Q9. 日本の法律である入管法が、国外出張が不利になるのか、つまり国内に限定した活動が要件と評価されるかどうかが疑問です。その限定があるのでしょうか。

日本の入管法では、本来、準拠法がどうなるかと考え、出張先での活動は日本の入管法における在留資格の範囲でない、つまり外国の就労ビザに関する外国の入管法が基本的に適用とも考えられます。

 

◆参考の弊社見解

公法=法令の規定の趣旨・目的・内容において、国家的関心が高い、公益性が強い場合:

属地主義の適用・域外適用の問題がある。

入管法は公法(かつ公益性が高い)であるため、この点においては、属地主義が適用され、外国の法で評価されることが基本と考えられる。

 

 

Q10. 属地主義ということで、外国出張が少しでも仕事に関する「活動」なら、更新には不利にならないということでしょうか。

更新許可申請においては、上記説明の通り、「相当性」が必要となります。そのため、活動をしていないことについての在留資格の取消し以外にも、更新や変更の場面で、広範に事情を勘案することができ、結局、不利にならないように、主張・立証により証明することが求められることに備えることが必要です。

 

極端な例でいうと、例えば、外国に旅行ばかり行って、日本にいなかった就労ビザの外国人に対して、不許可方向の審査となり、追加資料通知が来ることが想定されます。

外国に行っていたことが仕事に関係ないのであれば、「相当性」に係る在留資格該当性における「活動」がなかったことについて、やはり疑義があるとされます。なぜなら、仮に日本国内の旅行であったら活動がなかったであろうと評価されるでしょう。

つまり、日本国内の法律が適用されてもされなくても、正当な理由を証明することは、やはり合理的といえます。したがって、証拠を残しておく準備が必要です。

あるいは、タイミングとして課税証明書が少なくなってから申請するのか、少なくなる前に申請できるかも疑義をもたれるポイントであり重要です。

 

Q11. では越境テレワークにおいて、更新や永住までをどのように考えればよいのでしょうか。つまり外国人が当初日本で就労していたものの、外国にいながら引き続き雇用されて、テレワークする場合。

外国で就労する場合は、本国法が適用されることが通常であり、その国籍をもっているなら、その国の入管法の規制は掛からないことが多いでしょう。ただし、労働法規制がかかることに注意が必要です。さらに、その間、日本で雇用を継続するために、就労ビザを継続できない、つまり更新できない場合もありえるため、辞令などは用意すべきでしょう。

それで、永住まで考えると、障害になります。なぜなら、駐在のようなケースも含めて、納税を本国で行う場合があるからです。この点、外国の居住者が日本で納税する場合は、特定の税務署で納税証明書を取得できることもあります(例:麴町税務署)。

事案の解決例

弊社では、永住を取りたい外国人が外国に途中から駐在したため、日本に戻ってきて永住申請をしようとしたところ心配になり、永住申請のご依頼を受けた事例もあります。その事案では、本国で納税をしていたことで日本の税務署で納税証明書を出せないケースでした。しかし、代替資料を提出し、要件を満たすことができました。このように、会社都合によって永住申請の障害が出るときに非常に悩ましいと思います。

 

Q12. 「技術・人文知識・国際業務」の就労ビザで、出向を命令されて外国に一時転勤する場合は更新・永住に影響しますか?

この場合、気を付けるべき点は出向とは、在籍出向と転籍出向があることです。

もし、転籍となっていると、コンプライアンスと永住に関しては致命的な場合があります。給与・社会保険などの状況がどうなっているか、転職の届出事由にまで波及します。

事前にご相談ください。

Q13. 「高度専門職」や「企業内転勤」の就労ビザで、出向を命令されて外国に一時転勤する場合は更新・永住に影響しますか?

先に述べたように、出向とは、在籍出向と転籍出向があることです。

もし、転籍となっていると、コンプライアンスと永住に関しては致命的な場合があります。「高度専門職」と「企業内転勤」は、そもそも所属する企業の指定があるため、その「所属機関」を変更する場合は、事前の変更許可申請が必要となるからです。

事前にご相談ください。

 

Q14. 私の会社には、「技術・人文知識・国際業務」を持っている外国人の被雇用者がおります。女性なので、妊娠した場合に本国に一時帰国して産もうとする場合はどうなるのでしょうか。

その場合、出張のケースと同じく、日本の入管法が適用されない場合があります。しかし、在留そのものの問題として、戻ってきたときに、在留期間更新がされない心配があります。そのため、在留資格取消しの場面と同じく、そうならないにも関わらず、正当な理由を証明しておく証拠準備が必要です。最低限、通院記録や、母子手帳などは提出すべきでしょう。

 

参考:ちなみに会社に対する申出によって、会社が証明する書面のみを入管に提出する場合は、会社は妊娠の実態を証明しているわけでないことが通常、つまり伝聞や手続上の証拠であるため、証明が弱いことになります。

 

 

Q15. その外国人女性(「技術・人文知識・国際業務」)が、日本で子供を産んで、日本で育児休業を取る場合は、結論は異なりますか?

日本で育児休業を取る場合、再入国を考慮しない在留があることになるため、日本の入管法が完全に適用されると考えます。そのため、活動を行っていないことについて、入管としては積極的に立証資料が出ない場合、つまり単純な更新許可申請がされても、課税証明書の金額が低いことなどを疑問視することになりえます。そのため、証拠を準備しておく結論にかわりありません。

 

 

 

 

 

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