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スポーツ選手、監督、コーチ等を呼ぶのは何のビザ?

 

 

結論(回答):

外国との経済活動の活性化、外国人との交流、外国文化の交流の進展により、スポーツイベントの開催の機会が増えてきました。そのために選手をはじめスポーツイベント関係者を招へいするニーズは増えています。

どのビザで誰を招へいできるかの判断は難しいと考える方も多いでしょう。関係するビザは「興行」、「特定活動」(告示6号)、「短期滞在」、「技能」等があります。

適したビザを選択することが大事です。そして、許可を得るためには、しっかりと論証する必要があります。

 

ビザの種類、要件

就労ビザかどうかにより、「短期滞在」ビザか、又はそれ以外のビザに分けられます。

  1. 「短期滞在」ビザに該当する場合について、簡単に説明します。

「短期滞在」ビザは、就労ビザではなく、日本で就労活動以外の活動を短期間行うために認められます。

報酬無しで、国際大会、親善試合などにスポーツ選手が参加する場合は、基本的に「短期滞在」ビザです。ただ、オリンピック、アジア大会等では大会関係者を招へいする場合、特別に無査証のときもあります。

 

  1. 「興行」ビザに該当する場合について簡単に説明します。

公衆にスポーツの試合を見せるためにプロ選手を招へいする場合は、「興行」ビザになります。要件は以下の通りです。

(ア) 本邦の公私の機関がプロ選手としてスポーツの試合を行わせるために当該外国人と契約したこと

(イ) 上記(ア)の場合において、当該機関がスポーツの試合を事業として行う機関であること

(ウ) 日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けて従事すること

 

 

報酬に関する要件は、上記(ウ)の 「日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること」(支払条件)だけです。出演に対する対価であれば、定額、優勝者のみ、勝者に多く配分する等全て「報酬」に含まれます。

 

「興行に係る活動」には、様々な役割を担う者の共同作業の結実した結果として興行活動が行われる場合があり、その場合には集合体全体の活動を「興行」として評価します。

その結果、プロスポーツ選手との必要性と一体性が認められ、不可分な活動と評価できる補助者も含まれます。例えば、監督、コーチ、トレーナーです。

 

 

  1. 「特定活動」(特定活動告示6号)に該当する場合について簡単に説明します。

特定活動告示6号は以下のとおり定めています。

オリンピック大会、世界選手権大会その他の国際的な競技会に出場したことがある者で日本のアマチュアスポーツの振興及び水準の向上等のために月額25万円以上の報酬を受けることとして本邦の公私の機関に雇用されたものが、その機関のために行うアマチュアスポーツの選手としての活動

 

実業団などアマチュアスポーツ選手を招へいするためのビザです。告示6号の記載は一見難しいのですが、まとめると要件は以下のとおりになります。

(ア) 本邦の公私の機関内のクラブチームが興行を目的としてではなく、自社の宣伝や技術を競う目的で行うスポーツの試合に参加させるために、当該外国人を契約したものであること

(イ) 上記(ア)の場合において、クラブチームの所属機関がスポーツの試合を事業として行っているものではないこと

(ウ) オリンピック大会、世界選手権大会その他国際的な競技会に出場したことがあること

(エ) 月額25万円以上の報酬を受けること

 

 

  1. 「技能」に該当する場合について簡単に説明します。

監督、コーチ等のスポーツ指導者については、上記の「興行」ビザのプロスポーツ選手と不可分な活動と評価できる補助者に当たる場合は、「興行」ビザで招へいします。

これ以外の場合、「技能」の該当性を検討します。

その要件は以下のとおりです。

(ア) スポーツの指導について、3年以上の実務経験があること(外国の教育機関においてそのスポーツの指導についての科目を専攻した期間と、報酬を受けてそのスポーツに従事していた期間を含みます。)

(イ) スポーツ選手としてオリンピック大会、世界選手権大会その他の国際的な競技会に出場したことがあること

(ウ) そのスポーツの指導に係る技能を要する業務に従事すること

(エ) 日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること

 

(「上陸基準省令 法別表第一の二の表の技能の項の下欄に掲げる活動、柱書、第8号」ご参照)

 

 

  1. プロスポーツ選手、アマチュアスポーツ選手、国際大会に参加するスポーツ選手、コーチ等指導者について、それぞれ主なビザを一覧表(概略)にしてみました。
活動内容 条件 ビザの種類
 
プロスポーツ選手 (ア) 本邦の公私の機関がプロ選手としてスポーツの試合を行わせるために当該外国人と契約したこと

 

(イ) 上記(ア)の場合において、当該機関がスポーツの試合を事業として行う機関であること

 

(ウ) 日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けて従事すること

興行
アマチュアスポーツ選手(実業団) (ア) 本邦の公私の機関内のクラブチームが興行を目的としてではなく、自社の宣伝や技術を競う目的で行うスポーツの試合に参加させるために、当該外国人を契約したものであること

 

(イ) 上記(ア)の場合において、クラブチームの所属機関がスポーツの試合を事業として行っているものではないこと

 

(ウ) オリンピック大会、世界選手権大会その他国際的な競技会に出場したことがあること

 

(エ) 月額25万円以上の報酬を受けること 

特定活動(告示6号)
国際大会に参加するスポーツ選手 オリンピック、世界選手権、アジア大会、国別対抗戦、親善試合などに参加すること。
 
短期滞在

 

ただし、以下は興行。

・クラブ・チームの一員として参加するプロスポーツ選手

 

・賞金のあるトーナメントに参加するスポーツ選手(ゴルフ、テニス、格闘技など)

コーチ等指導者 (ア) スポーツの指導について、3年以上の実務経験があること(外国の教育機関においてそのスポーツの指導についての科目を専攻した期間と、報酬を受けてそのスポーツに従事していた期間を含みます。)

 

(イ) スポーツ選手としてオリンピック大会、世界選手権大会その他の国際的な競技会に出場したことがあること

 

(ウ) そのスポーツの指導に係る技能を要する業務に従事すること

 

(エ) 日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること

技能

 

ただし、以下は興行。

・「興行」ビザのプロスポーツ選手と不可分な活動と評価できる補助者に当たる場合

 

 

 

結論

外国との経済活動の活性化、外国人との交流、外国文化の交流の進展により、スポーツイベントの開催の機会が増えてきました。そのために選手をはじめスポーツイベント関係者を招へいするニーズは増えています。

どのビザで誰を招へいできるかの判断は難しいと考える方も多いでしょう。関係するビザは「興行」、「特定活動」(告示6号)、「短期滞在」、「技能」等があります。

 

適したビザを選択することが大事です。そして、許可を得るためには、しっかりと論証する必要があり、在留資格に関する高度な知識経験が重要になります。

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